風営一部改正法(平成17年11月7日)による新たな規制の概要
*平成18年5月1日施行
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性風俗関連特殊営業の規制の強化
(1) 届出制の強化
届出書の提出に添付書類が必要となります。(従来は不要でした)(法第27条
第3項、第31条の2第3項他)。
新たに次の書類が必要となります。
・ 営業の方法を記載した書類
・ 営業所、事務所、受付所及び待機所の使用について権原を有することを疎明
する書類
・ 営業者の住民票又は外国人登録証明書の写し(法人の場合は、定款、登記事項証明書
のほか、役員全員の住民票の写し又は外国人登録証明書の写し)
・ 営業所の平面図及び営業所の周囲の略図(店舗型性風俗特殊営業及び店舗型電話異
性紹介営業のみ)
・ 事務所、受付所及び待機所の平面図並びに受付所の周囲の略図(無店舗型性風俗特殊
業のうちいわゆるデリバリーヘルスのみ)
・ 営業所の業務の実施を統括管理する者(いわゆる店長、支配人等)の住民票又は外国人
登録証明書の写し(店舗型性風俗特殊営業及び店舗型電話異性紹介営業のみ)
* 性風俗関連特殊営業を営んでいる者が、改正後も営業を継続する場合は、平成18
年7月末までに、この添付書類を公安委員会に提出しなければな
らないものとされま
した。現在は、新規で開業する場合は新たな届出が必要となりますが、厳しい地域
規制により、店舗型性風俗特殊営業の開業はほとんど不可能となっています。
(2) 届出確認書の交付
公安委員会は、性風俗関連特殊営業の届出書が提出されたときは、提出者に届出確認書
(届出業者の名称、連絡先等を記載した書面)を交付することになりました。(第27条第4項、
第31条の2第4項他)
↓
・ 性風俗関連特殊営業を営む者は、届出確認書を営業所又は事務所に備付けなけれ
ばなりません。
・ 性風俗関連特殊営業を営む者が、関係者(建物の賃貸人、不動産業者、広告代理店、
客、就職希望者、警察官等)から届出確認書の提示を求められた場合は、これを提示し
なければなりません。ただし、対面でない場合は、コピーでも構いません。(第27条第5項、
第31条の2第5項他)
(3) 派遣型ファッションヘルスの受付所、待機所の規制
派遣型ファッションヘルス(デリヘル)について、受付所(客にサービス内容を説明し、注文を
受けるために客を立ち入らせる施設)や待機所(派遣従業者を待機させるための施設)を設ける
場合には、届出書にその旨と所在地を記載しなければならないことになりました。(第31条の2
第1項第7号)
また、受付所については、店舗型ファッションヘルスとみなして、営業禁止地域等の規制が適
用されます。(第31条の3第2項、第28条及び法施行条例)
*神奈川県の場合、平成18年5月以降は県下全域で受付所の新規出店は出来なくなりました。
(4) 集客行為の規制の強化
@ 客引きをするための立ちふさがり、つきまといの禁止
これまで禁止されていた「客引き」に加え、「客引きをするため、道路その他公共の場所で、人の
身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと」が禁止されます。(第22条第2号他)
A 無届の店舗型性風俗特殊営業及び無届の無店舗型性風俗特殊営業の広告宣伝の
禁止
届出書を提出していない者が、これらの営業を営む目的をもって広告又は宣伝をすることを禁止
し、違反した者を100万円以下の罰金に処されることになりました
。(第27条の2、第31条の2の2他)
* この規制は、ビラだけでなく、雑誌・新聞広告、ホームページの公開も対象となります。
従って、平成18年5月1日以降、広告関係業者は、届出確認書の提示を求め、相手が届出
業者であるかを確認することが必要となります。
B 広告宣伝方法の規制の強化
・ 広告制限区域等で看板、ポスター等を表示した場合。
・ 地域、居住者の年齢を問わず、人の住居にビラ等を配った場合。
・ 広告制限区域等でビラ等を頒布した場合。
・ 広告制限区域等以外の地域において、18歳未満の者に対してビラ等を頒布した場合。
↓
100万円以下の罰金(第28条第5項他)
*新たに罰則が規定されました。
2 人身取引の防止のための規定の整備
(1)
・ 接待飲食等営業(1号営業〜6号営業)
・ 店舗型性風俗特殊営業
・ 無店舗型性風俗特殊営業
・ 午後10時以降に営む酒類提供飲食店営業を営む者
↓
接客従業者の「生年月日、国籍」、外国人従業者の「在留資格、在留期間等」を
確認し、 確認の記録を作成・保存しなければなりません。(第36条の2)
* 生年月日等の確認の方法
日本人→住民票の写し、戸籍謄本、旅券、運転免許証等により行う必要があります。
外国人→旅券、外国人登録証明書等)により行う必要があります。
* 確認に用いた書類の写しを従業者名簿ととともに保存しなければなりません。
* 「興行」の在留資格により在留する人が、風俗営業の許可を受けた店舗においてホステス
等として「接待」など、興行以外の活動をすることは認められません。
(2)新設された人身売買の罪(刑法第226条の2)の規定を受けて、人身売買の罪や
略取・誘拐の罪を犯し処罰された者は、欠格事由該当者となります。(この様な者は、
風俗営業の許可をとることが出来ない)(第4条第1項第2号)
3 罰則の強化
各種罰則の法定刑の引き上げ
* 年少者使用や構造・設備の無承認変更は、法定刑の上限が懲役1年となり、風俗営業許可
の欠格事由となることに注意が必要です。
4 少年指導委員に関する規定の整備
警察職員だけでなく、少年指導委員についても、公安委員会の指示により、次の場所に立ち入る
ことが出来るようになりました。(第38条の2、第37条第2項)
・ 風俗営業、店舗型性風俗特殊営業、店舗型電話異性紹介営業の営業所
・ 派遣型ファッションヘルスの事務所、受付所、待機所
・ 午後10時以降も営む酒類提供飲食店営業の営業所
・ 設備を設けて深夜客に飲食をさせる営業の営業所 |